『金平糖の降るところ』 本のレビュー |
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お気に入り度:★★★
好きすぎて、どうにもできない。つきつめれば、そんな感じになるのかな・・・?
江國 香織 小学館 売り上げランキング: 70,532
『抱擁、あるいはライスには塩を』に続けて、久しぶりの絵國作品。
『抱擁・・・』のほうはレビューを書く気にもならないくらい、のめり込めなかった物語だったのですが、こちらのほうは、先が気になる展開で、あっという間に読み上げてしまいました。
ただ、全体的な感想としては、今ひとつ、かな。
ある時を境に、絵國さんの小説には「誰かとセックスすることを問題にしないカップル」ばかりが登場するようになり・・・。最初の頃はそれが新鮮でもあり、また、「理解できなくもない」ことのような気がしていたのだけれど・・・。
実際に、自分が結婚して、子供もできて・・・と人生を歩んできたせいか、やはりそれはあまりにも不自然な感覚に思えてきて・・・。
「嫌いになったから」「嫌いじゃないけれど愛情を感じなくなったから」。それが理由で誰かとセックスするのを容認したり。
もしくは、「ときめきたいから」「もう一度恋がしたいから」という理由で、誰かとセックスするのなら、まあ、安易ではあるけれど、大いに同調できます。
けれど、絵國さんの物語に出てくる登場人物たちは誰しもが「夫(妻)をかけがえのない人として愛している」のです。それはこの小説に出てくる佐和子と達哉のカップルも同様で。
以前は「アリ」と感じられたこの設定が、そう感じられなくなったのは、必ずしも自分が歳とったせいっていうだけじゃなく、「アリ」と感じさせる「説得力」が足りなかったのではないかと・・・。
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【2013/01/08 23:26】
本レビュー
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