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『ツリーハウス』 本のレビュー
お気に入り度:★★★★★
今年読んだ本のマイベスト1に輝くであろう珠玉の長編。(T^T)

ツリーハウス
ツリーハウス
posted with amazlet at 11.12.11
角田 光代
文藝春秋
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思いっきり上から目線で言わせていただくと、「角田さん、一皮も二皮も剥けたんじゃない!?」という感じです。けっこうな長編ですが、ぐいぐい読まされてしまいました。 物語自体がすごくドラマチック、というわけではないですし、テーマ的にもそんなに目新しいものではありません。けれど、親・子・孫、3世代の人物像とそれぞれの時代背景が丹念に描かれており、さらに、それぞれの人物、時代が入れ替わり描かれながらも、ひとつの筋がびしっと通っている。

まさに角田作品の中で群を抜く一冊だと思います。

物語の中心人物となる良嗣の祖父母が始めた中華料理屋「翡翠飯店」。
良嗣は祖父の死をきっかけに、祖父母の親戚と全く交流がないこと、新宿という土地にどうして祖父母が店をもてたのかということに強い疑問を抱くようになります。
また、自分は一体どうしてこんなに根なし草のような気がするのか?ー今まで漠然と感じていたそんな思いが強くなってきていた時に、祖母の口からこぼれた「大陸」の話。

戦争中、祖父母は満州にいた。けれど、その事実以外に祖母が語ってくれることはなく、良嗣は満州にこそ、今の自分につながる何かがあるのでないかと思い始めます。
そして、自分はどうしてもかの地に行かなければならないという、これまでに感じたことのない強い使命感を抱き、祖母を中国旅行へと誘うのでした。

一方、良嗣から旅行に誘われた八重は、当初は誘いを拒んでいたのですが、どんな心境の変化かか、ふいに旅行に出る決心をします。
そんな風にして、中国へと旅立つことになった良嗣と八重と良嗣の叔父(八重の息子)の3人。
良嗣が語る現在の中国の旅物語。それに呼応するかのように紡ぎ出される祖父母の戦時中の中国(満州)の物語。

異国の描写はたくさんの国を旅している角田さんならではといえるのではないでしょうか。
行間から中国の匂い・空気感がひしひしと感じられました。そして、驚いたことに、現代と過去の中国の違い、そして変わらない部分、それがしっかりと描かれていたのです。
わたしは一度も中国に行ったことがないし、ましてや戦時中の中国なんて知りもしないのに、まざまざとその光景が心の中に浮かんでくるようでした。

また、登場人物それぞれ人物描写も素晴しく、歴史的要素の散りばめ方も絶妙でした。(細かくは、割愛します)

祖母、八重が良嗣に言ったことが胸に突き刺さりました。
「わたしは逃げることしかしてこなかったから、逃げることしか教えられなかった。
わたしは生きるために逃げたけれど、でも、今は逃げることは逃げることにしかならない。」
というようなこと。(本が手元にないので、うろ覚えですが・・・)

とにもかくにも。
すっごく面白い一冊です!図書館で借りましたが、文庫本出たら、永久保存版で購入決定!!!


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【2011/12/11 14:36】 本レビュー | TRACKBACK(1) | COMMENT(0)
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謎多き祖父の戸籍──祖母の予期せぬ“帰郷”から隠された過去への旅が始まった。満州、そして新宿。熱く胸に迫る翡翠飯店三代記。第22回伊藤整文学賞。 謎の多い祖父の戸籍、沈黙が隠した家族の過去。すべての家庭の床下には、戦争の記憶が埋まっている。新宿角筈『翡翠飯店』クロニクル。 どこにでもいそうな、いたって平凡と思える一家の、三世代に渡る物語。 それぞれの時代、各人物像をぶれることなく細か...
粋な提案【2014/01/31 15:57】
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