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本と映画のレビュー、旅行記&お小遣い稼ぎでライター記事を書いています☆


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約束の旅路
お気に入り度:★★★★★
類稀な岐路に立たされた少年の成長に、それを温かく支え続けた人たちに、心の底から深い感動を覚えました。(;_ ;)

約束の旅路 デラックス版
ジェネオン エンタテインメント (2007-10-24)
売り上げランキング: 28928

2005年:フランス
監督:ラデュ・ミヘイレアニュ
出演:モシェ・アガザイ、モシェ・アベベ、シラク・M・サバハ、ヤエル・アベカシス、ロシュディ・ゼム
公式HP:約束の旅路

忘れ去られていたユダヤ人、それがベースとなって作られたひとりの男の子の物語です。
149分というやや長めのフィルムですが、それを微塵も感じさせない素晴らしい映画でした。

まず、忘れ去られていたユダヤ人「ファラシャ」について言及したいと思います。
わたしは、この映画を通じて初めて知りました。ユダヤ人にも黒人がいるということを・・・。
エジプトの山奥の村で、いつの日かエルサレムへ帰還する日を夢見ながらユダヤ教の戒律を守って生活していた「エジプト系ユダヤ人」、それが「ファラシャ」(※これは本来、蔑称だそうです)です。

1984年11月から85年1月にかけて、イスラエルとアメリカの指揮の下、エチオピア系ユダヤ人をイスラエルに帰還させると言う大規模な作戦 -「モーセ作戦」-が実行され、8千人のエチオピア系ユダヤ人がイスラエルへ救出されることとなりました。
けれど、その道は決して容易いものではなく・・・

移民を認めないエチオピアから密かに出国し、イスラエル行きの飛行機が待つスーダンの難民キャンプまでひたすら歩き続ける中で、ある者は飢餓や疲労や病で、またある者は襲撃や拷問で次々と命を落としていったのです。その数、4千人。

わたしの中ではユダヤ人=鼻に特徴のある白人(もろステレオタイプです・・・;)だったので、黒人のユダヤ人という存在にまず驚いてしまいました。
「エジプト系ユダヤ人」、彼らはエジプトでは「ユダヤ人だ」と非難され、ようやく辿り着いた夢の国イスラエルでは、「似非」だと非難される宿命を背負っていたのです。

この映画は、その「モーセ作戦」でエチオピアからイスラエルへ「エチオピア系ユダヤ人」として渡った男の子の半生が描かれています。(前置きだけでずいぶん書いてしまいましたが、ここからまだまだ続きます!)

ある日、スーダンの難民キャンプで9歳の男の子「ソロモン」が母親の腕の中で息を引きとります。
その夜、別の母親が自分の息子を起こし、イスラエル行きの飛行機を待つ人々の列を指差します。

「行って。生きて何かになるの。
戻ってはダメ、その時まで。
行きなさい。」

母親のその強い言葉に突き放され、その男の子は列に並んでいた「ソロモン」の母親ハナの手をとります。ハナは、その男の子の母親(キリスト教徒)の意向を瞬時に汲み取り、その男の子を自分の息子として飛行機へ乗り込みます。

ハナは、その男の子に「あなたの名前は『ソロモン』、お父さんは『イサク』、おじいさんは『ヤコブ』、村の名前はウェルカ村よ」と言い聞かせ、イスラエルへの入国を手伝います。
イスラエル入国時、「シュロモ」という新しい名前を与えられた彼は、かくして、「エチオピア系ユダヤ人」と偽って生活することになりますが、ハナは入国後、すぐに病で亡くなってしまいます。

「シュロモ、必ず秘密を守るのよ。
人に言っては絶対にダメ。(中略)
両親の名前を忘れないで、おじいさんの名前も。イサク、ハナ、ヤコブ、スーラ。
スーダンにいる本当のお母さんのことも絶対に忘れないで。
いつか会えるわ。生きている限り。」

という言葉を残して。
その後、シュロモは優しい養父母に引き取られますが、イスラエル社会における差別・偏見は絶えず彼につきまとい、そしてまた、ある負い目から、本当の母親は自分を罰するつもりでイスラエルに追いやったのではないかと思い悩みながら成長していきます。

年代別に3人の役者さんがシュロモを演じているのですが・・・
彼ら3人がかもし出すオーラは驚くほど似ていて、1人の人間を演じているのにこれっぽちの違和感も感じられませんでした。
幼年時代を演じたモシェ・アガザイ。少年時代を演じたモシェ・アベベ。青年時代を演じたシラク・M・サバハ。特に、少年時代~青年時代にかけての2人、わたしはHPを見るまで1人かと思っていたくらいです。

しかも、シュロモの役を得るには、「アムハラ語(エチオピアの言葉)」、「ヘブライ語」、「フランス語」の3ヶ国語を話さなければならないという条件もついていたのに!これはまさに奇跡と呼ぶしかないようなキャスティングだと思います。
エチオピアでの不運、イスラエルでの差別・偏見、アイデンティティの喪失、それらに苦悩するシュロモを彼らはとても繊細に演じていて、本当に素晴らしかったです!!

そして、シュロモの人生に大きく関わることとなったハナ、ヨラム&ヤエル夫妻の家族の面々、エチオピア系ユダヤ人の導師(?のような人)ケス・アラーム、シュロモを愛し続けたサラが本当に温かく強い人たちで・・・。

特に、監督自身が「これは全ての母親に捧げる映画だ」と言っているだけあり、義母ヤエルの愛情には並々ならぬものがありました。学校でシュロモに対する嫌がらせがあった時は毅然と立ち向かい、心を痛めているシュロモにはエチオピアの習慣を学んで接し、夫ヤエルと意見が食い違ってもシュロモの味方であり続け・・・。

そんなヤエルがシュロモを送り出す日に口にした秘密。

「実を言うとあなたが欲しくなかった。
ダニー(息子)やタリ(娘)や家族への影響が怖かったの。
ヨラムはブルドーザー並みに強引だったわ。
あなたをとても欲しがったの。(中略)
私は家族を守るため反対したわ。
ヨラムが勝ったけど、後悔はしていない。ただの1度も。
彼のおかげで家族になれたの。」

この頃、シュロモは兵役拒否などを巡ってヨラムと対立していたのですが・・・
ヤエルはそれを非難するともなく、しっかりとヨラムの愛情をも伝えるのでした。
一見暴虐に見えることもあるヨラムの「やっと築いた祖国だ。何としても守る」という台詞からは、イスラエルという地の、そしてユダヤ人という民の・・・うまい言葉が見つかりませんが・・・何かが感じられました。

映画にちりばめられている時事的な事柄からは、歴史的事実とパレスチナ問題以外のイスラエルという社会的な面が。
そして、それに沿って進んでいくシュロモの人生からは、彼と関わる人たちとの人間ドラマが。
その双方が絶妙に組み合わされている一作で、本当に素晴らしかったです!!!

非常に長くなっておりますが、最後にシュロモの義父となったおじいちゃんの言葉をおくります。

「太陽をさえぎってくれるこの木は50年前に植えた。
あっちの木をごらん、あの奥だ。
あの木は我々が到着する遥か昔からあった。
太陽や木陰のように土地は分かち合うべきものだよ。
太陽や日陰のように。
互いに愛が学べるように。」

こんな風に、誰も彼もが考えられる世界がいつの日か実現することを願って・・・。




【2008/10/05 22:33】 映画レビュー | TRACKBACK(0) | COMMENT(0)
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